小林小児クリニック|小児科・内科・アレルギー科・循環器内科

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胃腸の病気

感染性胃腸炎

ウイルス性胃腸炎と細菌性胃腸炎がみられます。ウイルス性胃腸炎の主なものにはロタウイルスとノロウイルスがあります。ロタウイルスは生後6ヶ月~2歳の乳幼児に多くみられ、潜伏期間は2日で突然の嘔吐で始まり、水様性下痢が続きもっとも脱水症をおこしやすい冬季の下痢の代表です。頻度は低いですが脳炎・脳症などの合併症も見られます。ロタウイルスワクチンが定期接種に組み込まれたため、重症の乳児嘔吐下痢症は明らかに患者さんの数と重症者は減っています。ノロウイルスは、成人にも感染を起こしやすく潜伏期間は1~2日で小児では嘔吐、成人では下痢が主な症状になることが多いです。人から人への感染が主ですが、生カキからの感染や調理人から食中毒型に多くの人に感染を起こすことも知られています。治療はまず脱水症予防として、嘔吐がある場合は絶食して、経口水分を少しずつ、ゆっくり、持続して与えます。アクアライト、OS~1などが使用されています。細菌性胃腸炎で多いのはカンピロバクターとサルモネラであり、最も注意を要するのは病原性大腸菌です。ともに抗生物質を投与します。病原性大腸菌は潜伏期間は3~5日で頻回な水様性下痢、強い腹痛と血便を呈してきます。乳幼児に多い溶血性尿毒症症候群は腸管出血性大腸菌感染症で下痢出現後4~10日で、乏尿、血小板減少、貧血をおこし、急性脳症を合併し死に至る場合があります。

乳糖不耐症

乳幼児では急性の下痢に引き続きだらだらと下痢が続くと乳頭分解酵素の活性が低下し、そこに乳糖を与えると酸っぱい匂いの水様便が長引きます。このような場合に牛乳、粉乳、乳製品、お菓子、パンなどを中止し、乳糖を含まない米、うどん、卵、魚、野菜、果物などを1~2週間与えます。粉乳であれば無乳糖ミルク、大豆乳などを使い、母乳は制限の必要はありません。

腸重積症

腸の中に腸が入り込むことにより食べ物が通過できず、はまりこんだ腸は締め付けられ、十分に血液がいかなくなるため出血を起こします。年齢は2歳までの男の子に多くみられます。約20分ごとの激しい腹痛、頻回な嘔吐、トマトをすりつぶしたような水様の粘血便、顔色不良であれば腸重積を疑います。診断は腹部超音波検査で確認することと治療を兼ねて肛門から造影剤を高圧浣腸法を行います。整復できない場合や長く時間が経過してしまった場合は開腹手術になることもあります。ごくまれにロタウイルスワクチン接種後に腸重積症を起こすことがあることも知られています。

便秘症

子どもの便秘症の多くは、生活習慣の改善、排便習慣の改善、食習慣の改善、下剤などのお薬の投与で改善してきます。しかし直腸に便塞栓がある場合には、まず便塞栓を除去してから治療を始めていくことが大切です。少量の固いうんちがでている、なかなか出ないのに下痢便、長く力んでも出てこない、1週間排便がない、おなかの下の方に固いものがふれるなどが見られる場合は早めに治療を始めたほうがよろしいです。また年齢によって便秘の状態も違います。また便秘症で夜尿症などを起こしてくることも知られています。

肛門周囲膿瘍

肛門の周りが赤く腫れて膿がたまる病気です。1歳くらいまでの男の子に見られます。排便の時に大腸菌などの細菌が肛門の奥にある横穴に入り込み、膿がたまることで起こります。また下痢の時に起こしやすく、赤ちゃんは免疫機能が弱いことも原因となっています。ほとんどが自然に治ると言われていますが、患部の腫れと膿の排出を繰り返しながら少しずつ落ち着いてくる場合もあります。肛門やその周囲を清潔に保つことが大切となります。また漢方薬の作用が見られたという報告が多くみられます。

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